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パラミロンは
肥満改善や肝臓障害の改善効果の示されている
ユーグレナ固有のβグルカン源です

パラミロンの健康に対する効果

パラミロンはユーグレナ固有のβグルカン源であり、その多様な健康機能性が近年注目を集めている食品素材です。βグルカン自体は、ユーグレナ以外の穀物、キノコ、海藻など様々な食品に存在しますが、パラミロンはβグルカンの結晶構造を形成しているため、他の食品に含まれているβグルカンと異なりβグルカナーゼによって加水分解されないという特徴を持っています(文献1)。したがって、他のβグルカンにはない食物繊維としての役割や発癌物質を取り込むことで癌の予防につながるとも考えられています。

パラミロンについて近年特に注目されているのは肥満や高血糖の抑制(文献2)、インフルエンザの抑制を始めとした免疫調整機能(文献3)、野菜と同時に摂取することによる内蔵脂肪蓄積の減少や抗肥満抗炎症効果(文献4)などです。さらに、植物のストレスに対する防御能力を高める効果(文献5)なども示されており、パラミロンには健康食品としての用途を超えた活用方法があることも示唆されています。

パラミロンの肥満改善効果

パラミロンは他のβグルカンと異なり結晶構造を持つためβグルカナーゼによって分解されません(文献1)。したがって、食物繊維のように機能し肥満に対するパラミロンの効果が示されています。さらにパラミロン粉末を食事に含むことで、食後の血糖値及びLDLコレステロールの低下が確認されています。また、パラミロン粉末添加食事後、脂肪酸代謝の変化に関係する肝臓のペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPARα)、アシル補酵素Aオキシダーゼ(ACOX)、カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT)および脂肪酸輸送タンパク質2(FATP2)の遺伝子の発現が増加している(文献2)ことから、パラミロンは脂質およびグルコースの代謝を改善する可能性が示されています。

パラミロンの免疫刺激効果と肝臓障害改善効果

パラミロン粒子は免疫系の刺激効果があるため肝臓障害にも効果的であることが知られています。非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は肝炎、線維症、腫瘍が症状として現れ肝不全を引き起こしますが、ユーグレナまたはパラミロンの経口投与によって、肝線維化のプロセスを阻害することが示されています(文献6)。さらにパラミロンを超音波処理とアルカリ処理によってより小さな粒子にすることでリンパ球の炎症誘発因子(NO、TNF-α、IL-6、COX-2)を上方制御することが示されており(文献7)、炎症誘発因子の上方制御によってヒトリンパ球を活性化することが示されています。

共培養によるパラミロン生産の改善

パラミロンは非常に高い健康機能を持つ素材ですが、Euglena gracilisのパラミロン生産を改善するための研究も盛んに行われています。例えば、インドール-3-酢酸産生細菌であるVibrio natriegensをEuglena gracilisと共培養することで生産するパラミロンの顆粒を大型化し、最適な条件で共培養をすることでEuglena gracilisを共培養する場合と比較して最大35%の生産量増加が示されています(文献8)。また、Pseudoalteromonas sp. MEBiC 03485と共培養することでMEBiC 03485株の細胞外高分子物質(EPS)がEugrena gracilisに影響を与え、パラミロンの生産量が最大34%増加することも示されています(文献9)。こうした結果以外にもパラミロン生産のための培地の最適条件なども検討されており(文献10)、いずれの結果もパラミロンの生産量改善のための重要なステップである培養条件の改善につながります。