世の中で活用できる、新しいミドリムシを発見したい!

みなさんこんにちは、理化学研究所の鈴木健吾です。東京大学でミドリムシと出会い、世界を変える可能性をもつミドリムシの研究を今まで15年以上行っています。また、ミドリムシで「地球と人を健康にする」を社会実装させるため、大学在学中に株式会社ユーグレナというベンチャー企業を作り、石垣島でミドリムシを育て、ミドリムシ食品や化粧品を販売してきました。その間も研究責任者という立場から、ミドリムシのいろいろな可能性に気付かされています。

「みんなのミドリムシプロジェクト(みんミドPJ)」では、ミドリムシのさらなる可能性を求めて、全国のさまざまな地域にいるミドリムシをみなさんと一緒に調べます。世の中を変えるかもしれない発見をみなさんと一緒に分かち合いたい、私のちょっと欲張りな提案です。

ミドリムシとは

ミドリムシはユーグレナ属に含まれる微細藻類の和名であり、淡水の湖沼、田んぼなどに生息する理科実験における観察でもおなじみの微生物です。200種類以上が知られるミドリムシのうち、ユーグレナ・グラシリス(Euglena gracilis)は50年以上も前からモデル生物として使われてきています。また、豊富な栄養素、及び細胞内に蓄積するβグルカンであるパラミロンの機能性から産業利用も検討され、2005年の大量生産技術の確立を機に健康食品の原料としても供給・利用され始めています。ユーグレナ・グラシリスは自然界では比較的レアな種ですが、うまく制御された条件では非常によく増えるので、ミドリムシの中で最も産業利用に適した種です。さらに、ミドリムシはまわりの酸素が少なくなると油を貯める性質があり、バイオ燃料の原料として利用することも可能です。

世界初、市民参加型ミドリムシ分布調査研究!

日本にはたくさんの独立な水源があるので、いろいろな可能性を持ったミドリムシがまだいるかもしれません。出張や旅行のたびに少しずつ採取するのですが、これまでにわたしたちが調査できたのは、福島、香川、熊本、及び沖縄の一部。まとまった数の水サンプルを集めることはなかなか難しいです。みんミドPJでは、みんなの力を合わせて日本中から水サンプルを集め、市民参加型のミドリムシ分布調査研究を行います! 

また、それぞれの地域ごとにミドリムシの遺伝子を調べ、系統解析を行います。ミドリムシは地域によって異なるのか、もしくはそうではないのか、面白い情報が得られるかもしれません。

ミドリムシマップの完成を目指す!

みんミドPJでは、みなさんが集めてくれた水サンプルから発見したミドリムシの情報(下記)をミドリムシマップに追加し、データベースを作成します。

  1. 水を採取した場所
  2. 水の中にいたミドリムシの写真
  3. ミドリムシの系統(遺伝子解析結果)
  4. 採取した人、チーム名
  5. 備考

北はなるべく北海道から南はなるべく沖縄まで、全国の数ある水源からの水サンプル収集にご協力ください。どうぞよろしくお願いいたします!

みんミドPJ 2019

鈴木健吾(スズキケンゴ)経歴

2003年 東京大学 農学部生物システム工学専修 卒業
2005年 株式会社ユーグレナ 取締役 就任
2006年 東京大学大学院 農学生命科学研究科修士課程 修了
2016年 東京大学大学院 博士(農学)学位取得
2018年 理化学研究所 バトンゾーン研究推進プログラム 微細藻類生産制御技術研究チーム チームリーダー就任 (現任)
2018年 株式会社ユーグレナ 執行役員研究開発担当 就任(現任)
2019年 北里大学大学院 博士(医学)学位 取得